GEV600のリアボックスを交換した

GEV600にリアボックスを付けている人のほとんどが選択しているであろう、ヘプコ&ベッカーのジャーニー TC30。

理由はもちろん、GEV600の日本での販売元であるプロトが装着可能と明言している唯一のボックスだから。公式ページで唯一紹介されているボックスでもある。たったそれだけの理由で選ばれている

オレ自身、購入したショップでどのボックスがいいか聞いたところ「確認が取れているのがTC30だけなので、それを選ぶのが無難」と言われたのでそうしてしまった。

HEPCO&BECKER Journey TC30
HEPCO&BECKER Journey TC30

ところがこのケース、実は使用直後から色々と不満があった。

ヘプコ&ベッカー TC30の不満点

開けづらい、閉めづらい

まずはなんといってもフタの開けづらさ。鍵を回しても、蓋をロックする部分が引っかかってうまく開けない事がめちゃくちゃ多い。ちゃんと開いているのになんか引っかかってて、数回ガタガタと揺らしてやっと開く、みたいな。

閉めるときはその逆で、ロックしている部分が見えにくいため、本当に閉まっているかどうかも見た目からではわからず、確認しづらい。自分ではちゃんと閉めたつもりが全然閉まってなくてフタがパカパカ開く、なんてことが起こる。本当に。

底の出っ張りが邪魔

次に、底面の出っ張りが邪魔なこと。

底面の出っ張りが邪魔
底面の出っ張りが邪魔

この出っ張りがマジで邪魔。ちょっと出っ張るくらいならいいけどボックス内を縦断するな。

ベースにボックスをロックする機構のせいだというのは理解してるけど、とにかくこいつのせいで平らじゃないから弁当とか寿司とかケーキとか傾けたくないものを置けない。平らにしたかったら自分で工夫するしかない。

単に平らな板を置くだけだと結局傾くので、下駄の歯のようなものを噛ませる必要があり、非常にめんどくさい。オレは平らにしたいときだけ、ホームセンターで安く買った木の板を敷いてしのいでいた。

見た目より物が入らない

それから容量が意外と少ないこと。YAMAHAの125cc用ジェットはぎりぎり入るけど、OGKカブトのシステムヘルメットは蓋が閉まらず入らなかった。ケースの形状、造形が妙に凝ってるぶん容量が犠牲になってるのでは?

あと、中身をパンパンにして使うと内側からロック部分が押されるようで、先に書いた「開けづらさ」に拍車がかかる。最初これをやったとき、本当に開かないので壊れたかと思った。

これを経験すると、このボックスに物をいっぱい入れようという気が起きなくなる。

鍵が使いづらい

あとさっきロック部分の話をしたけど、キーそのものにも不満がある。

まずは正しい鍵の向きを見てほしい。

正しい鍵の向き
正しい鍵の向き

上下逆だと回せないタイプのカギ。赤い持ち手の、キーホルダーを通すための穴が上側にくるでしょ。これがすごく不便なんだよ。キーホルダー付けてたら重さのせいで穴を下にして刺したくなるのが人情。実際やってみるとわかるけどこの向きで刺すこと自体がストレスになるんだよ。

こういう風に下向きに刺さるならそんなに面倒さは感じない。

逆向きでも刺さる(やめてほしい)
逆向きでも刺さる

そもそもなんで逆向きでもなんの抵抗もなくスルッとハマるんだよ!回せないくせに。ムカつくわ。なんなんだお前は。

徐々に使うのが億劫になる

最終的には、せっかく付けたボックスなのに開閉がめんどくさくなって次第に使わなくなってしまった。ヘルメットは別途メットホルダーを付けてそっちにかけてるし、荷物はリュックにいれるようになっていった。

本当に開け閉めがめんどくさいんだもんこのケース。鍵回しても引っかかって全然開かないしさ。中はデコボコしてるし。カギ刺しにくいし。いいところは軽いってことくらいかも。

悲しみのスシロー事件

トドメはスシローでお持ち帰りをしたときのことだった。

以前はボックスにギリギリ入ったはずの寿司折りが、その時はどうしても入らなかった。あと1センチ奥行きがあれば入るくらいのサイズ。もしかしたら寿司折りの形状やサイズが地味に変わったのかもしれない。

結局家に着いたときにはお寿司の体積は半分ほどに圧縮されていた。

もちろんこれはボックス自体が悪かったわけじゃない。でもこれまでいろいろな不満を抱えながら使っていたこともあり、ついに怒りが爆発。こんな悲しい経験を繰り返したいはずがなく、GEV600納車から三年近く経った今、ついにボックスの交換を決意したのだった。

交換を決意

それじゃあGEV600に他のどのボックスがつくかだけど…プロト自身がYouTubeの動画で「リアキャリアは汎用品のボックスを付けやすいように指定して穴を開けた日本独自仕様」と自信満々に言い切っていたので、おそらく大体の汎用品は付くんじゃないかな…責任は持てないけど…。

出典: #61 電動スクーター「GEV600」の納車説明をどうぞ!初めての電動バイクという方にも簡単操作で安心です。

というわけで、一旦このボックスは外してしまう。

TC30を外す

まずはキーを回して「press+pull」というぱっと見何言ってんだこいつみたいな表示に合わせる。

この状態で赤いボタンをpressしながらボックス全体をpullすれば箱が外れる。

ケースを外したところ
ケースを外したところ

でベースは出てくるんだけど、上部にフタがされているので隙間にマイナスドライバーとかを突っ込んで外す。フタのツメを折らないよう注意。

取付ベースのフタを外したところ
取付ベースのフタを外したところ

裏がナットで止まっているので、抑えながらボルトを回して4つ全部外せばベースが取れる。

しかしこれはお店につけてもらったものだけど、こうして見てみるとこんなにも格子状にいっぱい穴が空いている割には貫通する部分が少なく見えるというか。本当に大丈夫かなこれ。

新しいボックスの取付

さて新しいボックスの取付、今回使用するボックスのベースはこんな形。

今回取り付けるベース
今回取り付けるベース

単に穴の位置が合うかどうかだけではなく、裏側から抑えるためのこの部品の取り付けスペースが確保できるかも重要。

この部品のスペースも必要
この部品のスペースも必要

というわけで結果から言うとこの位置になった。

最終的な位置
最終的な位置

あまり奥に近づけすぎると、センタースタンドを立てるときにつかむ取っ手のとこにつっかえたり、隙間が全然なくなったりする。

こんなふうに…。

失敗例(取っ手との隙間がない)
失敗例(取っ手との隙間がない)

なので奥から少し離した状態でないとうまくつかない。たださっきの写真のネジ位置なら掴める程度の隙間ができるのでOK。裏側から抑えるあの部品のスペースもしっかり確保できている。

ベースを付けたらボックスをはめ込んで固定して終了。

完成

BEFORE

BEFORE
BEFORE

AFTER

AFTER
AFTER

うむ、でかい。でもしっかり付いてる。

ほら、底も平らで使いやすいよ。バンドもついてるよ。

新ボックスの中
新ボックスの中

カギも普通に開けやすいよ。よかったよかった。

でかい
でかい

あとこれはちゃんとサイズを計算していて、スシローの一番大きいサイズの寿司折りでも入ることを確認済み!!

FOOD & LIFE COMPANIES(スシローの運営会社)にも問い合わせをしてサイズを確認しているので完璧。こんなくだらない問い合わせにも真摯に対応してくれてホントありがたいです。

ちなみに今回のボックスはメルカリで新古品のやつを買ったのでメーカーも何もわからないけど、ベースの形状や金具とかを見るにこんな類のやつじゃないかと思う。(※ もし合わなくても責任は負いかねます)

気をつけなければいけないのはボックスのサイズ。法律で原付の荷台から左右に15cmずつ、後方に30cmまではみ出すことができるので、その範囲内で探すこと。

今回のボックスは幅47cmで、GEV600のリアキャリアは幅17cmなのでギリギリOK(というかこれが限界、これ以上幅のあるものはNG)。後方30cmは考えるまでもなく余裕でクリア。高さは地上から2mまでだけどこんなのは気にする必要もない。どんなボックスつけてもそうはならないから。

しかし、使わなくなったTC30、結構使用感あるしメルカリに出しても売れなそうだな。どうするかなこれ…。