これは一人のにがうりくんがベルベタイザーと出会い闇落ちし日の光のもとへ戻ってくるまでのお話。
邂逅
家族でららぽーとに行ったときにたまたま立ち寄ったホテルショコラという店。イギリス発祥らしい。最初はゴディバのパチもんかなとか単なるオシャレチョコ屋だと思ってたら、どれもちゃんとうまかった…ということがあった。
サンデーもおいしかったけど、特にチルドチョックというドリンクがヤバいほどうまい。なめらかで濃厚でコクがありとてもおいしゅうございます。と思わず口にしてしまいそうなくらいうまいのであった。
で、いわばこれとほぼ同じものが作れる機械、いやそれしかできない機械が店内に売っていた。12000円もするくせにホットチョコレートしか作れないという思い切ったマシン、その名も「ベルベタイザー」。ベルベットのようになめらか云々ということらしい。
いやわかるよ、こういう専門性が高いマシンほど本当にいいものが出来上がるんだよ。「さすが専用マシン、普通のマシンとは全然違うね!」と言わせるために存在するマシンなんだからな。でも専門性が高いマシンほど将来的にホコリを被っちゃう率が高いことも知ってる。でメルカリやらヤフオクやらに出されちゃうんだ。
12000円ってのはいくらなんでもさすがに思いつきで買えるような価格じゃないけど、もし4980円くらいならその場で買ってたかもしれない。
入手
と思いつつ、オレはモッフルメーカーみたいな一瞬だけブームになって今ではもう製造中止になったような調理家電を今でも使っているような人間なのと、調べたところチョコ無しで牛乳だけ投入すればきめ細かいフォームミルクを作るのにも使えるそうなので毎日コーヒーを飲むオレなら押入れの肥やしにもならなかろう、またどうせ衝動買いして後悔してる人とか結構いるんだろうなと思いしばらくメルカリで探してたんだけど…
そしたらあなた。いましたよ。(自称)2回しか使っていない状態の中古をまさかの4980円で売ってる人が!
価格的にバッチリ折り合いがついたので即購入。無事届いた商品は確かにとてもキレイで使い込まれている感じは全然しない。付属品も全部揃っていた。とりあえず一通り洗う。
現行品の白色「ステラ」とは配色が違うのでおそらく日本上陸時のラインナップ「ホワイト」かもしれない。まあ性能は大差ないだろ。
牛乳
本体だけ買ってチョコがないので、まずは牛乳だけ入れて動かしてみる。で、電源が自動で止まったらホットミルクをエスプレッソに入れる。
写真じゃわかりづらいと思うけど、とにかく泡のキメが細かい!!!そしていつまで経っても泡が消えてなくならない、飲み終わるまでずっと残ってたよ。当然電子レンジとかで雑に温めたときみたいな表面の膜もでないしこりゃすげえ。
これだけでレギュラー入り確定なんだけど、せっかくなのでチョコレートドリンクも作りたい。
邪道
というわけで買ってきました。チョコレートを。
本体は中古、チョコは他社製…ホテルショコラ側に一切メリットのない邪道の闇ベルベタイザー使いとして覚醒してしまったのか…!?
というのも通販は時間がかかるうえ送料が高く、ららぽーとはすぐ買いに行ける距離ではないので手軽に調達するにはこうするしかなかったんです。ほんの出来心なんです。あとこうすると単価が安くて庶民には優しいのです。ほんの出来心なんです。あとホテルショコラにないフレーバーも楽しめる可能性が高いんです。まあ今回は普通のチョコレートばっかりですけど。ほんの出来心なんです。
一応公式サイトではこのように釘を差している…
見た感じ、製菓用のクーベルチュールとかでも問題なく溶けそうに思えるんだけど…わかったわかった、ゴロっと入れずに砕けばいいんだろう?どうせ中古で保証書もないし怖いものはないぜ。
本家ホテルショコラのやつは甘さ控えめに作られているらしいので、今回は明治ブラックチョコレートを使おう。本家のチョコ一回分(1袋)は35gらしく、この板チョコは50gなので5列中の3列ほど使えばよさそう。
それをこの買ったはいいが使わなくなる調理器具の代表格「ヒモを引っ張るとみじん切りにできるやつ」で砕いてやるぜ!!
それを牛乳と共に投入して電源ON。あとは待つだけ。人事を尽くして天命を待つ。言うほど尽くしたか?
できた。当たり前だけどちゃんとできてる。
そしてうまい…。チョコが市販のやつだから前に店で頼んだのとは当然全く違う味だけど、ダマや溶け残りもないしきめ細かく混ぜられていて口当たりがとても柔らかくまろやか。飲み終わったあとに底にチョコが溜まるようなこともなくキレイに飲みきれた。同じ材料を電子レンジや鍋で雑に作ったのに比べれば雲泥の差だと思う。これが材料入れてスイッチ入れたらあとは放置でいいってんだからすごい。
コスト面でも優れていて、本家だと35gのフレーク1袋で250円だけど、今回は板チョコ1枚50g120円の60%なので30g72円という計算。およそ三分の一程度。すばらしい!
ちなみにその後ブラックではなくミルクチョコレートでも作ってみたけどこっちはちょっと甘すぎた。やっぱりブラックタイプやカカオ分多めのやつのほうがおいしくできる気がする。
正道
しかし、さすがにこれだけだと悪い気がするので後日ちゃんと店に行ってベルベタイザー専用チョコレートフレーク(サシェ)を買ってきた。闇のベルベタイザー使いがとうとう表舞台に進出だ。光あっての闇なのだから。
とりあえずMilky 50%とClassic 70%を飲んでみたが…
ゲロウマ。
これはちょっともう市販品を苦労して砕いて入れてたのがあほらしくなるくらいうまい。甘さが(比較的)控えめなのとカカオのコクが強めのおかげで、濃厚でかつくどくないという絶妙な味わいになっており気づいたらカップが空になっていたほどうまい。どの喫茶店で飲んだホットチョコレートやホットココアよりもうまい。
これイギリス製(日本法人がイギリスから輸入販売している形)なんだけど、よくある「海外の有名なチョコを期待して食べてみたけど意外と日本人の口には合わなかった」みたいなこともなくて本当に掛け値なしにうまい。こんなにうまいものを生み出せる国のメシがまずいはずがない、一体どうなってんだ。
でも板チョコ粉砕ジェネリックバージョンもこれはこれで別物としてうまくはある(し安いしどこにでも売ってる)。特に激甘ので疲れを癒やしたいときなんかは市販品の方がいい可能性もある。
というわけで、これからも光と闇を行き来する流浪のベルベタイザー使いとしてがんばります。