映画ドラえもん のび太の絵世界物語をみてきた

ネタバレあり。

ネタバレあり。

子供がみたいみたいと言うので、のび太の絵世界物語をみてきた。

映画ドラえもん のび太の絵世界物語
映画ドラえもん のび太の絵世界物語

久々に映画館に行ったら大人一人2000円になってた。世知辛い。幼稚園児も容赦なく1000円かかるので3人で5000円。105分で5000円。贅沢な娯楽だ。ポップコーンも買った。贅沢だ。

公開して3週間ほどだけど、わりと空席が目立つ。土曜なのに。勝手に、一月くらいは混んでるもんだと思ってた。

以下ネタバレあり感想


  • 冒頭で絵の世界に入り込むシーンがあるが、オープニングテーマに乗せてダイジェストでまとめられてしまう。
    • 名画の中に入るとその画風で描写される非常に凝った映像で、楽しいけどめまぐるしく切り替わるのでもう少しゆっくり堪能したかった。
    • ミュシャの絵の中に入ろうとするのは意外と考えつかなかったかもしれない。
  • パルの演技が気になる。他の声優さんは皆上手かったので、ここだけは残念。
    • サンドウィッチマンは芸人枠にしては二人とも棒ではなくちゃんと演技をしてくれていた。
    • ソドロの演技が最高。ウィッチャー3が好きなので。
  • ゲストキャラのキャラデザがドラえもんぽくないけど、仕草も声も表情もかわいらしくて意外と浮いていなかった。クレアもマイロもどちらも良い。
    • クレアはのじゃロリだが嫌味がなく表情豊かでかわいい。また女の子キャラなのに脳天から地面に激突するシーンが複数回ある。ギャグギャラのような扱いをされてて面白い。
    • マイロはタレ目で純真で可愛い。性格も良い。
  • タイトルからすると「絵の中に入って冒険するんだな」と思ったけどそれは最初だけで、結構すぐに現実世界が舞台になる。
    • どちらかというと「絵から出てきた敵を倒す」方だった。
    • 冒頭の、ミノタウロスが絵から出てきそうになるシーン。後から思い返すと、最序盤のこれが既に伏線になっていた。
  • しっかり練られた台本で、全体的にストーリーの納得感が高い。
    • ただ、水がテーマの話ではないのに唐突に水加工用ふりかけを使って城を建設しだすシーンがあり、さすがに大人は感づく。伏線のためだけに水で家を作るな。
      • でなければわざわざ水で家を作る必然性がないし、ストーリー上水加工用ふりかけと水もどしは必ずセットで使われるものだから。
      • 唐突なチンカラホイも気になったけど、そっちはあまり関係していなかった。魔法にかけたただのファンサービス?
    • 唐突な流しそうめんも、それを食べたがらないのもわけがわからなかったが、あとから考えてみると水が弱点という伏線だったのかもしれない。伏線のためだけに以下略。
    • パルは怪しすぎるのでかえって全然怪しくない。
    • 「超空間を漂っていたら絵に入り込んだ」という説明は無理があるため納得できなかったが、ああ来るとは思わなかった。
  • 「どうせこいつら滅びるから何したっていいでしょ」に対するのび太のセリフが芯を食っていてとてもよい。時空犯罪の問題を一言で言い表している名台詞。
  • 地球交響楽に引き続きラスボスが意思のないタイプ(南極カチコチ大冒険のブリザーガのような)だけど、そのラスボスを目覚めさせたのは悪役キャラで、ちゃんと前フリもしっかりされていたので唐突感がない。
  • イゼールはモブやゲストキャラだけでなくレギュラーメンバーまで犠牲になってしまうほどの非常に強大な敵で、迫力と絶望感がすごい。
    • 攻撃方法が「色を吸い取る」なのは作品のテーマ、強さ、恐ろしさ、ビジュアル面のインパクトを兼ね備えていて良い。
    • ひみつ道具を駆使しても太刀打ちできず次々とやられていくさまは恐怖心をあおる。
  • バトルシーンの動きがとても良く、構図も迫力があって見ごたえがある。
  • 描き手の想いが絵の中の世界に反映される、という説明が序盤の方で何度もあった。とすると、画力がないことはともかく、のび太はドラえもんをカタコトしか喋れない存在と認識している、ということなのか?
  • 「湖が青く輝いて綺麗」→「青い鉱石はどこにあるんだろう?」→「実は湖にあった!」 そりゃそうだろ
  • 姫が行方不明になり落ち込んでいる王様を慰めるための絵にしては、後ろ姿なのは寂しくないか?また去って行ってしまいそうで…。
  • 最後、絵と本物の意識がリンクしてたというのはちょっと都合がよすぎる。
    • まあボスがめちゃくちゃ強かったし、ハッピーエンドで締めたいというのはわかる。
  • 奇跡の島と違い、のび太のパパがいる意味がある。かつて画家を目指していたパパはこの話には絶対に必要だ。
    • でもTVの評論家はともかくパパやママはドラえもんの絵だとわかってやれよ。自分の子供が自分の家族を描いた絵だぞ。
  • 面白かった。わさドラ映画で歴代トップクラスの面白さだったかも。
    • ひみつ道具博物館はコメディタッチの作品だったので別にしても、ストーリーが面白かった南極カチコチよりも色彩が華やかであること、ラスボスの強さ、ゲストキャラとの交流度などを総合して考えるとこっちのほうが上かも。
    • ひみつ道具博物館ほどじゃないけど、それでもけっこう多くのひみつ道具が出てきて楽しい。原作でジャイアンが使った万能わな(未来の犯罪者の道具だったやつ)とかも出てくる。

当の子供はというと、序盤~中盤くらいで帰りたいだの何だの文句を言っていたものの、最終的には観る前に買ったポップコーンを8割方残すくらいには集中して観ていた。

一方、嫁は感動で泣いていた。

俺はというと、水も飲まずいちごミルクポップコーンを完食したため喉が甘さで焼けそうだった。


わさドラ映画過去作の感想はこちら。

わさドラ全映画感想(2006~2024)
水田わさび版ドラえもんの映画を「のび太の恐竜2006」から「のび太の地球交響楽」までイッキ見したので全作品の感想を書きました。ネタバレあり。