シベリア超特急5、いよいよ公開

2005年上半期最大の話題作がついに公開だ。場所は新宿ピカデリー4。

水野“シベ超”オスカーへ爆走!? スピーチも用意

水野先生はどこまで本気でどこまで冗談なんだか掴めない。明らかに狙ってギャグを言ったりするから(そしてそういうのがツボな人間ばかり集まるようなイベントなので当然のことながら爆笑が起こる)、全てが天然というわけではないのはわかるがしかし確実に天然が大部分を占めるはずだ。そしてその境目の区別が付かない。これはシベ超5を見て改めて感じた。はっきりしているのはエンタテイメントを追求しているということだけだ。シベ超は「楽しむ」という意味で言えば最近の映画では間違いなくトップクラスだろう。俺にシベ超ファンであるという色眼鏡がかかっていることを差し引いたとしてもだ。とにかく最近の映画は監督の説教や人生観、哲学を聞かされているだけのようなものが多い。当然シベ超にも「反戦」という監督の思いが込められている、それもしつこいほどに。しかしシベ超のすごいところは「エンタテイメントを通して」反戦を訴えようとしているところだ。漫画で読む歴史、とかそういったような感じ。これは考えてそうしているとご本人がおっしゃっているので間違いない。

問題はそのエンタテイメントの中身だ。シベ超の本来のジャンルはミステリのはずだ。スリルとサスペンス。時折アクションシーンもある。大スペクタクル。これがシベ超の基本的な方針のはず。しかし、実際は超一流のコメディとして仕上がっており、観客は笑いを求めて映画館に足を運びDVDを借りるのだ。当然意図的に挿入したコメディ要素もあるにはあるが、それ以外の(本来笑いを想定していなかったであろう部分で)笑いが起きるのがシベ超。これがおきまりのパターン。

しかし、5ではどこまでがマジでどこまでが狙っているのかがわからなくなるのだ。このシーンはコメディとして撮ってるの?それとも…という部分が随所に出てくる。今までのシリーズの中でもっとも破天荒とでも言おうか。そして笑うポイントもわかりやすい。前にも書いたが「普通の人」にも自信を持っておすすめできる映画になっているんじゃないかと感じた。これらが全て計算尽くだとしたらそれこそ大どんでん返しだが。

というわけでそんなスーパー映画「シベリア超特急5」は明日公開。