ねんがんの ホームジムをてにいれたぞ!

~ あらすじ ~

新型コロナのせいでジム通いを自粛していた影響で、以前ベンチとダンベルを買ったんだけど…

例の新型コロナのせいでジムが閉まっちゃっていけなくなった。で、品切れ続出の中、偶然麻布十番のゲーム屋で定価で売ってるのを見つけて買ったわけ。リングフィットアドベンチャー。いやー運が良かったぜ。リングフィットアドベンチャーで、まあ2~3週間くらい続けてふと思った。これ筋トレになってるか??ざっくりいうと、筋トレっていうのは「10回前後しかできない運動を数セット繰り返し行う」みたいなことをやる。で慣れてきたら回数を増やすんじゃなくて重さを増やす。理想は「あーもう持ち上げるの無理」ってとこまでやるのが...

やっぱりこれじゃ物足りない。

ジム通いを再開しようとしてもこのご時世いろいろ怖くはあるし、さらに今はどこのジムもマスクが必須。いくら規約とはいえどうしてもマスクをしたままトレーニングするのが嫌で、ホームジム作成に向けて準備をしていたのだった。

まずは手始めに有酸素マシンとして仕事中にこっそり使うこともできるエアロバイク(フィットネスバイク)を用意。

新型コロナのせいでジム通いを自粛していた影響で、以前ベンチとダンベルを買ったんだけど…やっぱりパワーラックでベンチプレスをやりたい!でもテレワークになっちゃったので会社で法人契約している高級セレブジム(アメニティがMARKS&WEB)にはどのみち行けない!!というわけで今年の頭くらいから自腹で近所のジムに加入して、ジム通いを再開した。マスクが嫌いしかし、以前の職場近くの高級セレブジム(ウェアとシューズと靴下とタオルがレンタルできる)と違い近所の安価な24時間ジムはやはり人が多い。結構マシンが埋まって...

そしてついにそれ以外の部分に手を付けるのであった。

寸法を測る

まずはこれをやらないと。1cm単位で細かくサイズを図ってレイアウトを決める。

うちは仕事用の机が普通のパソコンラックではなく使わなくなったIKEAのダイニングテーブルなので結構サイズがでかい。ここでどうやっても設置不可能だったら諦めるしかなかったんだけど、調査の結果無事設置可能であることがわかった。

一安心。

いわゆる「3層構造の床補強」は要るのか要らないのか

「ホームジム 作り方」とかで検索すると、ほとんどのページで床補強について以下の3種類のどれかが書いてある。

  1. 床下に鋼製束や大引きの本数を増やすような、床下の補強が必要。
  2. 床上に板を敷くタイプの床補強が必要。
  3. 床補強は不要。

床下の補強が必要説

そりゃそうだ。

ただ新築あるいはリフォーム前提の話になり、規模がでかくなるので今回は無視する。もちろんこれが理想ではある。あるけど、無理なもんは無理なのよ。

ただ、補強しないのであれば前提として部屋の中央部分に置くのはどう考えても良くない。壁際、もっと言えば2辺が壁になる角に置くのが良い。

補強は不要説

根拠は「建築基準法で床積載荷重の最低基準が1㎡あたり180kgと決まっている」というもの。つまり最低でも1㎡あたり180kgが乗っても問題ない強度で作られているからパワーラックくらい屁でもないよという理由。

一見もっともなんだけど、そうじゃないんだよ。

ベンチやラックには当然ながら脚がついていて、そこが接地面となる。例えばパワーラックの場合は底部のフレームのコの字型の部分だけに全重量がかかる。フレームの幅は数cmとかそんなくらいしかないのに、そこにラック本体+バーベルの全重量がかかることになる。

フローリングなんて、直にキャスター付きの椅子置いて座っただけでへこむんだよ。ラック本体+バーベル+プレートで150~200kg程度あったとして、それが幅数cmのフレームにかかるんだとしたら、割れないまでも絶対へこむでしょ。

床上の補強が必要説

で、2の案。そもそもフローリングを守るためには絶対に何かしらの形で床を補強する必要がある。それに加えて、広くて硬い板を使うことで局所的な荷重を板の面積の範囲内で分散できることも間違いない。

部屋全体の耐荷重が増えるわけではないし、衝撃荷重も考えなきゃいけないので「板を敷いたから完璧」というわけでは全くない。ただ、床補強はしないよりしたほうが確実にマシということは言える。

というわけで結論は「床上補強はしないよりしたほうがいいに決まっているが、万全の対策ではないのでマシンは静かに使う。あとなるべく角とかに設置する」。

床補強をする

というわけで床補強の話。

3層構造の一番下は柔らかいマットでいいのか

よく見るのは以下の構成。

ネットで検索するとでてくる3層構造
ネットで検索するとでてくる3層構造

これ、一番下に敷く①のマットについて「柔らかいものがいい」と書いてあることがほとんどなんだけど、本当にそうか??いくら板が固くてもその下がぐにゃぐにゃじゃ安定性が損なわれるんじゃないの?つまり、②の角に立ったとすると、下が柔らかいせいで対角線上の角が浮いたりするんじゃないの?

防音のために柔らかくしてるのかもしれないけど、うちは戸建てで、ホームジムにする部屋もリビングとは離れていてそれほど気にしなくていいので、騒音対策として①にやわやわマットを敷く必要がない。とはいえフローリングの上に木の板を直置きするのはそれはそれで細かい傷がつきそうだ。

というわけで、一番下はカーペットにしてフローリングを保護。次に木の板、一番上には硬めのマット。これでいこう。

今回採用した構造
今回採用した構造

木の板を敷く

まずは3×6尺の板を2枚敷く。最初は通販も考えたけど調べたら送料がとんでもなく高かったので早々に諦め、近所のホームセンターで買ってきた。厚さは15mm。

不幸なことに店内で「筋トレの部屋を作るのに楽して車で運ぶのは納得いかないな。これを運ぶことがトレーニングになるので一石二鳥と考えるべき。」と思ってしまい、実際に徒歩で自宅まで1.2kmの道のりを運んだ。

しぬかとおもった。

3×6尺の合板2枚
3×6尺の合板2枚

マットを敷く

次にジョイントマットを敷く。安定させたいので硬めのやつがいい。ということで、今回買ったのはこちら。

ちょっと愚痴。なにはともあれ床をなんとかしないと機材を置けないのだから、真っ先に床だけは片付けたいと思い上記のマットを楽天で購入したわけ。で、二日後くらいに別の店で機材を注文。これで「先にマットが届き、床を仕上げ終わった状態で機材が届く」ことを目論んでたんだけど、マットを買った店の発送が異常に遅く、後に買った機材のほうが先に到着してしまった…。

まあ、とにかくマットを両面テープを使って全面に貼る。

ジョイントマットを敷いた
ジョイントマットを敷いた

ちなみにこのマット、製造の過程で出るのかマット同士の癒着防止なのかは知らないけど表にも裏にもびっしりと謎の白い粉が付着している。固く絞った雑巾で拭いたんだけど一度拭いただけでは取り切れず、何度も拭き直す必要があった。マット自体は硬さも十分で満足してるんだけどこの粉取り作業がひたすらめんどくさい。

端っこは細く切ったジョイントマットを超強力タイプの両面テープで板とくっつけ、上部はシリコーンシーラントでシーリング(コーキング)した。

端っこの処理
端っこの処理
シリコーンシーラントでシーリング(コーキング)
シリコーンシーラントでシーリング(コーキング)

パワーラックの設置

で、おまちかね筋トレ器具本体。これがまた品薄状態で買いたくても買えなかったりするんだよね。去年の4月よりはマシだけど…。

機材の選定

まず大前提としてバーベルでフリーウェイト種目をしたい。なので、一台でラットプルとかチェストプレスとかバタフライとかができるマルチなマシンは除外する。

いわゆるこういうやつは除外
いわゆるこういうやつは除外

でも、どうしてもラットプル+シーテッドローはしたい。というかケーブル種目をしたい。これができるかどうかはでかいので。

あと、怖いのでハーフラックは嫌。ジムと違って基本的には一人しかいないので(家族はいるけど筋トレ時は別室にいるので)、万が一のリスクを考えるとどうしてもパワーラックにしたい。

という感じで条件を絞っていくとIROTECかWILD FITの2択になった。今回は3末時点で在庫があったWILD FITの「パワーラックPRO フルモデル ワイド」に決定。

これ幅が狭い「ナロー」と広い「ワイド」があって、最初はナローを注文しようとしてたんだけど、購入前に念のため実際に紙を張り合わせて実寸大の大きさにして、その上に横たわってみたわけ。

ナローの幅は101cm。「お。ぎりぎり肘が当たらずにベンチプレスできそう!」と思ったんだけど、よく見たらフレームの太さが左右5cmずつあるので、内側のサイズは91cmになる。こうなるとかなり窮屈で、肘がぶつかるギリギリくらいだったので諦め、結局ワイドの方にした。

競合製品としてIROTECの「マルチパワーラック」がある。価格・スペック共にほぼ同等(サイズや耐荷重で細かい違いはある)で、どっちにするか迷ったんだけど単純に「そのとき在庫があってすぐに買えた」という理由だけでWILD FITを選んだ。逆にWILD FITが売り切れでIROTECの在庫があったら多分そっちを買ってた。

あと、ホントはスミスマシン付きのパワーラックっていうのもあってそれにも惹かれたんだけど、スミスマシンのくせにバーが斜めになるとか、スミスバーのフックが外れやすいとか、サイズが大きすぎるとか色々あって断念した。特にサイズね。仕事用のスペース込みで5帖くらいしかない部屋なので…。

バーベルシャフトについて

対応するバーベルシャフトについて、「ナローでは1600mmシャフトが利用可(記載はないがショップに確認したところ1840mmのシャフトも利用可)、ワイドでは2000mm以上でないと不可」と書いてあった。最初ナローにしようと思ってたのはこれがでかい。短いシャフトで少しでもコンパクトにしたかったわけ。

ただワイドを選ぶと1600mmも1840mmも使えず、強制的に2000mmになってしまう。なんとかならないものか…。

これ実は「WILD FITで販売しているシャフトの中では、2000mm以上じゃないと使えない」という意味なので、他社製のシャフトを選べば解決する。

というわけで、IROTECの「180cmワイドグリップ」がWILD FITのパワーラックPROフルモデルワイドに使えるぞ!

IROTEC「マルチパワーラック」はIROTECの180cmワイドグリップに対応している。「パワーラックPRO ワイド」は「マルチパワーラック」と幅がほぼ同じなのでこちらでも利用可能というわけ。ただこれは2021年4月現在の情報なので、各自ちゃんとシャフトのサイズとラックのサイズを両方見て調べてね。

この「180cmワイドグリップ」はグリップ部がしっかり長い代わりにプレートスリーブ部が短く、そこで長さを抑えているので、付けられるプレートの枚数が普通のシャフトより少なくなってしまうことに注意。

あと、これはバーベルダンベルセットなので「バーベルシャフト」「ダンベルシャフト2本」「プレート各種」を合計して100kg。つまりバーベルだけで使う場合はダンベルシャフトの重さを引いた95kgまでにしかならないことにも注意。

ちなみに、このプレート付け替え式のダンベルは正直かなりめんどくさいので、ダンベルもちゃんと使いたい人はブロックダンベルとかフレックスベルとかの可変ダンベルを別に用意しておいたほうが絶対にラク。

組み立て

順番としては「パワーラックを組み立てる」→「ラットプルオプションを組み立てる」となる。

説明書には2人でやれと書いてあるけど、まあ一人でもできる。工具は付属していないので、モンキーレンチとプライヤーが必要になるけど、モンキーはラチェット式のやつの方が絶対ラクなのでおすすめ。

説明書は一枚ペラで、ボルトには番号などが書いておらず不親切。ボルトの長さを識別するためにものさしやメジャー等を用意しておくといい。

最初はある程度あそびがある程度に仮止めして、全部のパーツを接続した後に増し締めして完成させる。

パワーラック本体が完成したら、ラットプルオプションを取り付ける。

本体もラットプルオプションも、ボルト・ナット・ワッシャー全て予備がなく完全に使い切るようになっている。何かが余っていたらそれは予備ではなくどこかに付け忘れているだけなので注意。

できたら、ベンチなどを設置して完成。ねこものびのびしてるけど、筋トレ中は危ないから部屋から締め出すぞ。

小ネタ

カラビナ交換

付属のカラビナがしょぼい。小さいうえピンの開きもぎこちないのでアタッチメントの付け外しがしづらく、ものによってはそもそもこのカラビナにはめられない場合もある(たとえば、MAGグリップのパチモンのHIBARIというやつは全く入らない)。ワイヤーと土台をつないでいる部分は別にそのままでいいけど、アタッチメントを取り付ける部分は別のカラビナに取り替えたほうが良い。その際はサイズだけでなく太さや耐荷重も確認すること。

今回買ったやつは一応耐荷重200kgと書いてあって、ピンの開閉がなめらかで使いやすい。付属のカラビナとは雲泥の差。

サイズも一回り大きいためジェネリックMAGグリップもちゃんとはめられるんだけど、それでも実は結構固くてギリギリ。なので、MAGグリップもどきには常にカラビナを付けておくのがおすすめ。4つ入りだったので贅沢に使う。

バーベルシャフト受けの長さ

公式サイトの商品画像では「奥側に長い方、手前側に短い方」にしてあるけど、個人的には逆をおすすめ。長い方を奥側にするとベンチプレスがやりづらい。

ラットプルダウン時のレッグパッド

ラットプル時のレッグパッド(抑え)がないけど、ディップスバーを内側につけることで代用できる。微妙な高さ調節はできないので、そういう場合は太ももにタオルを置くなど工夫する。

ディップスバーを内向きに付ける
ディップスバーを内向きに付ける

セーフティの固定

セーフティーやバーベルシャフト受けは一応ロックピン式だけど、「穴を合わせた後にねじを締め込むことでしっかり固定される」という仕組みになっている。手間は増えるけど安全のために従っておいたほうがいい。

いくらかかったのか?

下世話な話だけど、結局気になるのはここだと思う。今の手持ちで作れるのかとか、ジム会費の何年分になるとか、どれくらいでもとが取れるとか…。

ざっくり公開しちゃうとこうなる。(この中のいくつかは今まで貯めたポイントなどで賄っているので、実際の支出としてはこれより少ない)

  • パワーラック+バーべルシャフト・ダンベルシャフト・プレートセット+プレートラック … 約10万円
  • 絨毯+床に敷く板+ジョイントマット … 約3.2万円
  • ミニエアロバイク … 約1万円
  • インクラインベンチ(去年買ったものだけど、この価格もホームジム代に含めたとして) … 約8000円
  • 計 … 約15万円

あとは、パワーグリップやケーブルのアタッチメント、あるいは可変ダンベルとかそういうのを買えばもうちょっと行く。そのあたりはお好みで。ラットプル用とローイング用のバー、あとカフリング(足につけてケーブル種目をやるためのバンド)は付属するので最低限のケーブル種目はできる。

この価格をどう感じるかは人それぞれだけど、オレとしてはそもそも最初に漠然とイメージしてた金額よりずっと安くすんだという印象。もちろん贅沢な買い物になったし、オレの持ってるゲーミングノートPCより高いんだけど、元々はもっとかかると思っていたので。

パワーラックがラットプル付きなのに予想より遥かに安かったのよ。有名なPOWERTECのハーフラックだとこんなんじゃすまないよね。そういうのに比べたら耐荷重が低いのかもしれんけど、それでもオレみたいな一般ユーザーからしたら十分だしなぁ。揺らしてみてもガタツキやしなりなども全然なくてしっかりしてるし、幅も十分足りるので特に窮屈な感じもしない。

月7500円の24時間ジムで換算すると20ヶ月分。これを安いと見るか高いと見るかも人ぞれぞれだと思う。

総評

ジムはさすがにマシンの種類が段違いに多いし、メンテナンスも店の人がやってくれる。

ホームジムはそもそもマシンの台数からして比べ物にならない。いくらパワーラックとケーブルでかなりのトレーニングができると言っても、今までは「ベンチプレス」→「スミスマシン or チェストプレスマシン」とやっていた場合、ホームジムだと少し考えなくちゃならない。それにメンテナンスも自己責任。特にケーブルや滑車は消耗品扱いなのでいつかは交換の必要がある。

でも待ち時間はないし、いくらでも占有できるし、移動時間ゼロだし、格好も飲食も自由だし、いつでも好きな時間にできるし、雨の日や寒い日でも外出しなくていいし、なによりマスクをしなくていい。

使った上での不便な点と言うと、プレートストレージがラックについていないので、バーベルシャフトやラットプルのプレートツリーにプレートをはめるのがちょっと面倒ではある。でもそのくらいのデメリットならメリットがすべて吹き飛ばすかな。

おすすめ度で言うと、もしスペースと予算が許すならもちろんおすすめ。寸法を測り、床板を買ってきて部屋に並べ、マシンを搬入してさらに組み立て、その後は膨大なゴミとダンボール箱の処分…と、設置するまでの手間はめちゃくちゃかかってすごくめんどくさい。でもそれを乗り越えて設置し終わったときはそれだけで既に達成感があるし、それに自分だけのホームジムって「夢」って感じがする。小さいけど夢がひとつかなった的な。子供の頃の「隠れ家」みたいな感じと言うか…。